語より黙 人より空

日常時々魂の叫び

九州一周~14日目 野球観戦

九州一周14日目。

いい加減疲れてきているw

 

この日も道の駅を出発しひたすら高松市内を目指す。

思ったより道がきれいに整備されており非常に快適。

昼前には丸亀市内へ到着。

 

高松にきた目的は、以前の職場で大変世話になった先輩が、野球の四国アイランドリーグの球団で働いているため、久々に会いたかったのだ。

 

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 先輩の職場

 

丸亀を通過し、途中のうどん屋さんでうどん県のうどんを食す。

うまい。本当にうまい。

まさかうどんでこんなに感動するとは思わなかった。

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トッピングはとり天。

でかい。

 

 

丸亀市内を無事通過し、高松市内に到着したのは14時。

 

高松は駅前の玉藻城を散策しベンチで先輩の球団の試合スケジュールを確認すると、

なんと夜18時から試合が。

場所は2時間ほど前に通過した丸亀市のスタジアム。。

 

この自転車の旅で一番感じたこと。

それは、

 

道を戻るということのつらさ

 

である。

これがバイクや車であったら別なのだろうが、自転車で来た道を戻るというのは精神的な負荷が非常に高い。

 

ということで駅前の駐輪場に駐車し、電車で向かうことにw

まぁ10キロの荷物は背負ったままなので歩くのもつらいのですが、、

 

ということで球場に到着。

 

早々と先輩と遭遇。

声をかけた先輩の第一声。

 

「汚っ!」

 

なんて非情なお言葉。

 

まぁ確かに真っ黒に日焼けし髪はぼさぼさ、ひげ面だからしょうがないですが。。

 

 

久しぶりの再会を喜び、あとはひたすら試合開始を待つ。

大人になって初めての野球観戦。

もちろんお供はビール。

快晴の下、選手たちの練習風景を見ながら飲むビールは最高。

こりゃはまる。

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地元の子供たちのイベントもあり、退屈せずに試合開始。

 

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野球って面白い。

 

最終回まで見たかったのだが球場からの電車とバスの最終時間があまりにも早く途中退出。

高松駅に戻り、友人に連絡。

実は高松にはもう一人知人がおり、その友人と再会。

 

中学の同級生で、こちらは高松のプロバスケットボールの球団で働いている。

 

友人と合流し、うどん以外のもう一つの名物 骨付き鶏を食す。

これまた非常にうまい。

 

大満足で、店を後にし高松の繁華街へ。

 

お盆中の為空いている店舗が少なく、案内所のお兄さんに絡みながら一軒のスナックへ。

 

感想は書きません。

ひどかったのでw

 

そのまま帰り友人宅で就寝。

 

地元の友と違う地で会うと、いつもしない話が出来て非常に良かった。

 

特別仲良しなわけではなかったが、やはり友達だ。

友人は 大切にしたい。

 

 

 

 

九州一周~13日目

九州一周13日目。

衝撃のおっちゃんに心の中で別れを告げ道の駅を朝一スタート。昨日の夜は何も食べていないのでとりあえず一番近いコンビニで栄養補給。

ほっとした。

高松に向け走り出す。

 

久しぶりに抜けるような青空。

すっかり体力消費し、9時過ぎに到着した道の駅でしばし仮眠。

といっても休憩していたベンチで寝落ちしただけだが。。w

 

一時間程休憩し後は久しぶり爆走。

 

九州に来て思ったのだが、こちらでは広大な土地に太陽光発電設備を備え付けたメガソーラー?がやたら目につく。

本当に規模がでかい。

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 でかいなー。

補助金とかでてるだろうけど採算とれるのかなーなんていらぬ心配。

 

 

この日はほぼ平坦な道で非常に快適なサイクリング。

ただそう簡単には終わらない。

 

この日の宿泊場所に選んだのは、温泉施設のある道の駅。

近くまで行くとなんと山の上。

何でそんなところにあるんや。。

 

最後の最後で登りに苦しみ、道の駅に着いた頃には辺りは真っ暗。

山中の森林に囲まれたこの場所で野宿はきつい。。

 

風呂後にもしかしたら夜通し走ることも視野に入れながら、

とりあえず温泉施設に入浴。

疲れた体をほぐす。

冷水と温泉に足を交互に浸しマッサージ。

昔サッカーしていた時よくやったな。。なんて思いながら。

 

温泉から上がり、受付の可愛いスタッフに

「ここらへんで泊まったりしている人います?自転車で来たんですが、、」

と聞くと、何と追加1500円で朝まで館内で寝かせてくれるとの事。

 

神!

ゴッド!

 

本当に困った状況になるとタイミングよく助けが来る。

人生って面白いもんだ。

 

この日は施設内でぐっすり就寝。

明日はいよいよ高松入り。旅の終盤も近づいていた。

 

九州一周〜衝撃。

12日目の夜20時。

弁当とビール2本、お菓子を購入し道の駅に到着。

まさに今から弁当を食べようとする時、ふらっと一人のおじさんが。


「にいちゃんどっから来たん?」

俺「東京からです」

「そーかー!今日はここで野宿か?あっちに寝るスペースがあるからそこで寝たらええよ。」

俺「ありがとうございます!」


俺「おっちゃんは地元の人?」

「いや違う。大阪からきとる」

俺「なんで?」


何の気なしに聞いてみると、

おっちゃんは70歳。


50年以上神社や仏閣、城などの補修をする宮大工として工務店を自営。

しかし3ヶ月前に関連会社の借金の保証人になり関連会社が倒産。関連会社の社長は行方不明。


いきなり5000万もの借金を返さねばならない事に。


全ての財産は差し押さえ。従業員は解雇。商売道具を売り払いそれでも足りないので、裁判所からは年金も1年間差し押さえられたとの事。

(裁判所にどう生活したらいいかと尋ねたら、刑務所入れば飯ぐらいは最低食べれますよとの返答。。)


所持金はその時点で18円。

どうしようもなくなり、大阪から愛媛まで昔の弟子を頼りに歩いてきたらしい。


30日間も何も食べずに。。


聞けば聞くほど目の前で弁当なんか食えない。


昼飯も食わずにだったので猛烈にお腹が減っていたが弁当とお菓子とビールをおっちゃんに。

ファミマの唐揚げ弁当をあんなにうまそうに食う人は見た事ない。w



この真夏に大阪から30日間水しか飲まずに歩いてきて、膝は限界。

まともに歩けない状態。

これからどうするのかと聞けば、


「もうここらで終わりかな」


と。


「歩けないし、金はないし、もうこっから動かれへん。海に飛び込んだ方がよっぽど楽や」


おっちゃんの言う

「死んだ方が楽」

と言う言葉を否定できなかった。

むしろ肯定してしまいそうだった。


あまりの衝撃に言葉が出なかった。


弟子のいる街までは歩きだと2週間。

今のままのおっちゃんが歩ける距離ではない。

電車を調べたら3700円の運賃。


とても迷ったけれど、財布を見るとちょうど5000円。

道中色々な人に助けてもらって、心配してもらった。


今まで助けてもらった恩はここで返せるのだと。


人生を試されているような感覚すらあった。

このお金を稼ぐ事はまたできる。

ただこの5000円はこのおっちゃんの人生を変えるかもしれない。

それを渡す事がお前には出来るのかと。


おっちゃんに5000円とペットボトルの麦茶をって渡して、

俺「必ず弟子に会って、また元気で復活してな!」


「ほんまにありがとう」


九州一周は突然の解雇に頭と心が混乱し、新しく仕事につくことが考えられず修行のつもりだった。

それなりに楽しかったし、孤独な戦いで色んな事を考えた。


ただ、この旅で初めて


心底仕事がしたいと思った。

働かないといけないと思った。

なんだかとても大事な事に気づかされたようだった。






翌日は朝6時出発なのでおっちゃんには会っていない。


さよなら

頑張ってな


と心の中で呟いて走り出した。




後日あった先輩にこの話をしたら

「お前完全に騙されたな」

と。w


騙されていたのかもしれないけれど、会って話したおっちゃんの目は嘘じゃなかった。


東京に帰る事を真剣に考え始めた。


やっぱり旅は面白い。









九州一周〜12日目

12日目の今日は朝一別府から四国は愛媛へのフェリー乗船。

チケット買いに列に並んでいたらなんばナンバーの車から降りたおばちゃんが割り込み。

こらっ

と朝一から不機嫌。


無事愛媛は八幡浜へ到着。

チャリを組み上げていると誘導員のおっちゃんが。

「どっから来たの?」

と。

「東京から来て福岡からチャリで九州廻ってきました」

と言うと

「すごいねあんた。今いくつ?」

「30です」


頂きました久々のあきれ顏w


四国の地理がわからず高松に行きたいと伝えると

「地図持ってないの?」

「はい」


本日2度目のあきれ顏w


立派な四国の地図を頂きました。


おっちゃんに身送ってもらい走り始めると目の前に神社が。

旅の無事を祈ろうとお参り。


境内には柴犬がいて近寄って撫でているとよく日に焼けたお姉さんが。


神社の神主さんの奥様でした。

俺が東京で住んでいた地域の神社にご主人の修行でしばらく住んでいたとの事で話しが盛り上がり、冷たいお茶を頂き、息子さんとご主人も合流ししばし談笑。

帰り際はみんなで手を振って

「気をつけてねー!頑張ってねー!」


四国に歓迎された気がしてとっても嬉しかった。

いい出会い。

人との出会いはこれだから面白い。


八幡浜から新居浜を通って今治の手前の道の駅へ。

途中の松山城

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ちっちゃw


後から考えると不思議なのだが、道の駅手前のコンビニで夜食の弁当とビールを2本、そして普段買わないお菓子を購入。


道の駅に着いてベンチで食べようとした時にその出会いはあった。

今回の旅で最も衝撃的な出会いだった。


つづく



九州一周〜11日目

今日のスタートは先輩に送ってもらった延岡駅

チャリを折り畳んで電車へ積み込むw

もう大人だもん。。


と自分に言い訳しつつ一路別府へ。

先輩のオススメでもある別府温泉地獄めぐりへ。


海地獄

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血の池地獄

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チャリはキツかったけど、一見の価値はありました。


名物地獄蒸焼プリン

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大分名物唐揚げ

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お腹を満たして宿へ。

今日の宿はカプセルホテル。

夜は別府の街を散策。

別府の繁華街、今まで見たことないくらい怪しい感じ。

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なぜ天狗?w


明日は別府から四国へフェリー。

早起きせねば。。


旅も終盤。

ワープを使う回数が増えてきたw


お金も心許なくなってきたので終わりも近いかな。。

四国には以前仕事で可愛がってもらった先輩がおり、久々に会いに行く予定。

仕事の事を多く話した先輩なので、色々相談してこよう。

今日も爆睡。



九州一周〜10日目

前夜宮崎入りし一泊2700円のビジネスホテルへ宿泊。

安っ。


朝はまた6時半に出発。

一路日向市を目指す。


学生時代に社会人サッカーでお世話になった先輩が日向市で仕事をしている為、急遽泊まらせてもらえることに。


外は生憎の曇り空。

昼過ぎから雨に。

この度初めての雨。


途中の道の駅で雨宿りをしていると、大阪から九州縦断に来ているチャリダー大学生くんと会う。

せっかくだからと写真を撮ったが、まさかの逆光w

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雨で体が冷える中、ポンカンソフトを食す。

うまうま。

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たっぷり80kmほど走った辺りで先輩から連絡があり、近くのコンビニで待ち合わせ。

約8年ぶりかな。

懐かしくてちょっと涙が出そうだった。

車にチャリを積んでもらい新築の先輩の家へ。

シャワーを借りて綺麗にした後食材の買い出しと保育園へのお迎え。


2人の男の子のパパでもある先輩。

息子達は知らない髭面兄さんが車に乗っているので次男はガン泣きw


夜はバーベキュー。

少しずつ打ち解けた息子達は可愛いのなんのって。

スレてないし、素直だし、子供って感じ。

奥様登場でみんなでバーベキュー。

焼肉のタレはもちろんこちら。

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戸村のタレ。

にんにくが効いて食が進む進む。


夜は先輩と昔話ビール。


ゆっくり寝て翌日も朝飯をみんなで食べる。

朝から元気な息子達。

家族で食べる朝飯って心があったまりますね。

後ろ髪を引かれつつ家族にさよならして、先輩の車で延岡へ。

再開の約束をしてお別れ。

精神的にもリフレッシュ完了。


月並みですが、みんなに世話になっているんだなーと。

ありがとうございます。





九州一周〜9日目

九州一周チャリツアー9日目。

朝6時に道の駅出発。

やはり野宿の為安眠出来ずフラフラ走り出す。

この日の記憶は35度。


鹿児島への道をひた走る。

恐怖の山越えでした。

視線を上げると長い長い坂。

暑さと寝不足でまたも気力が低下。

鹿児島にたどり着く事だけを考え必死に前進


途中立ち寄ったコンビニで話しかけてくれたお父さんは、家から水筒に入れてきた氷入りのお茶を全部くれた。


工事現場のガードマンさんは、通り過ぎた後走って追いかけてきて、自分が飲むであろう、凍らせたペットボトルのアクエリアスをくれた。


途中あまりに冷たいものを飲み過ぎて腹を下しながらそれでも何とか鹿児島へ到着。


鹿児島では屋台村で茶ぶり丼を。

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ジョッキに氷の詰まったお茶を何杯もおかわり。

嫌な顔一つせずだしてくれる屋台村のお姉ちゃんがまたえらい可愛い。

普段孤独な戦いをしているからか、一瞬で恋に落ちるw


丁寧にお礼して出発し鹿児島の港から桜島を眺める。

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この二日後に噴火警戒の警報が。。


公園でしばし休憩した後、迷ったあげく、バスターミナルへ。

宮崎までワープ。

暑さにやられ気力がなく一刻も早く進みたかった。


無事バスで宮崎へ到着。

夜は街でチキン南蛮、地鶏を食し就寝。

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九州一周もやっと折り返し。

観光地を回る精神的な余裕はもはやないが、最後まで頑張ろう。


鹿児島は人がとても良い。

本当に九州は肌に合う。